オフィス2003年問題と今後のオフィス需給見通し

2003.5.11発表

                                                褐v画研究所コスモプラン

 

 生駒データサービスシステムの発表によれば2003年4月の東京区部オフィス空室率は8%台となり、前から危ぶまれていた2003年問題がいよいよ深刻化してきた。最近の経済情勢は一層悪化しており、今後このオフィス需給ギャップが解消に向かうのかどうかが懸念材料となっている。

 

1.経済成長がほとんど見込まれない場合

 経済成長率が0%にとどまった場合、2003年央には空室率8%台となったのち、今後とも経済成長が全く見込まれないとすると、オフィスの実需が低迷するため、空室率は2004年にかけて一層悪化し、2005年にも8%台を続け、徐々に低下に向かうものの、回復テンポは遅く依然7%台の厳しい状況が続く。しかし、オフィス空室率の高止まりのため、オフィス着工面積が減少していくために、空室率は2006年以降回復に向かうものと見込まれる。賃料は、2003年央では対前年比6%低下、2004年も6%程度の低下とみこまれる。2006年に11,500円台で底を打った後に2007年から回復に向かうものと見込まれるものの2010年には2002年水準を回復することは難しい。

 

2.経済成長率が0.5%程度見込まれる場合

 今年の経済成長率が0.5%程度であると、オフィス空室率は7.7%に上昇した後、2004年からは回復していくものと見込まれる。賃料は、2003年央の対前年比6%台の低下となるが、2004年は4%の低下に減少、2005年に12,400円台で底を打った後に上昇基調となっていくと見込まれる。2010年には2002年水準を回復すると予想される。

 オフィス着工量は、2004年に100ヘクタール程度にまで減少した後、2010年には空室率の低下を受けて再び200ヘクタールにまで増加していくと予想される。

 

 

(文責:水鳥川和夫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


注)2002年までは生駒データサービスシステムズ、それ以降は褐v画研究所コスモプラン予測。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


注)上記に同じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注)2002年までは「東京都建築統計年報」、2003以降は褐v画研究所コスモプラン予測。