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地域イメージの分析
2.地域イメージを形成する要素


 地域イメージを形成する要素を整理すると、モノとしては、他の場所では見ることができず、また、体験できないほど先進的@個性的であること、ファッション性があることがまず重要である。

 また、何かやっているという感じを伝えることが必要であり、その内容がわかりやすいものであることが重要であるとともに、いつも何かが動いていると感じさせることが重要である。

 さらに、地域イメージを象徴するようなリーダーシップをとる人がいることが重要である。

@ 先進的・個性的であること

 誰も自分が体験したことがないことを体験したがるものである。だから、古今東西を問わず、旅行をする人が多く、とりわけ、海外旅行の人気が高い。自分の生活範囲で経験できることをするために、どこかに行こうという人はいない。そこにしかないとかとということが重要である。

 また、かつて、そして今でも我が国が欧米に学んでいるように、自分のまわりにはない新しいものがあることが重要である。「全国初」と銘打てることが重要である。

 地方では、温泉がある、酒がうまい、魚がうまい、水がうまい、川に魚が泳いでいる、空気がきれい、夜空がきれいなのはどこでも同じ。地方に人が行くための最低条件程度のことである。とかく地元の人は、知ってもらえさえすればと錯覚するが、イメージアップには使えない。

A ファッション性があること

 人や企業の注目を集めるためには、ファッション性が重要である。女性の服に限らず、街がファッショナブルであること、すなわち、横浜、神戸、福岡のように、古い街もあるが新しい街が次々とできあがり、その中に最先端の機能とデザインが盛り込まれていることが重要である。

 この場合の機能とは、例えば、国際的な交流機能、最先端トレンドのホテル、最新ファッションのブティック、新業態のショッピングセンター、外資系企業のオフィス、人気業種のビジネスパークなどである。

B リーダーが存在していること

 自治体では、神戸市長、大分県知事、岐阜県知事が強烈な個性でプロジェクトを発案し、実行に移している。

 とかくバランス感覚の優れた人材が首長になるパターンが多いが、実際には、意図的に「バランス崩し」を行えるような人がプロジェクトを引っ張っている。

 他の地域(の人@企業)からみて、何かすごいことしているなと感じさせるためには、地域を代表する個性的な(必ずしも見かけではない)リーダーがメディア(テレビ@雑誌@一般紙@専門誌など)でアピールすることが必要である。

 このほか、パブリシティの高い首長は、現在の高知県知事、宮城県知事、沖縄県知事、北九州市長、かつての熊本県知事、滋賀県知事などである。

C 情報発信力があること

 何かをやっていても、優れた人がいても、それが知らされなければ、イメージアップにはつながらない。ある程度コストをかけてでも情報を発信することが必要である。

D 継続性があること

 地域イメージの向上を図る手っ取り早い方法として、東京での観光物産展など単発のイベントが行われる場合が多い。このようなイベントも継続することによって、恒例の行事となり、パブリシティに乗ることもあるが、

通常、地域イメージの向上につなげることは難しい。

 イベントにせよ何にせよ、あるきっかけを活かして、次から次へと発展させていき、継続的にメディアに登場させていくことが重要である。

 神戸市のように、風見鶏がテレビで紹介されたからどうするかを考え、単にみやげ物を売るだけでなく、異人館として整備し、一部買収しながら、異人館通りを観光の目玉に育てていくのは、良い事例である。福岡市は、港湾のリニューアルの構想を打ち上げて、一つ一つその時代に合わせた魅力あるプロジェクトを継続して仕立て続けている。


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